千年に一度レベルの地震・津波は、実はけっこうな確率で起きるのではないだろうか

千年に一度レベルの地震津波に備えておく必要は無い、という声を、何度か目にしました。

限られた地域のみが被災する天災に関しては、できれば何とかしたい気持ちはあるけれど、そのような判断があっても仕方が無いと思います。対策は無限には行なえませんから、どこかで線引きをして、ある程度のリスクは受け入れないわけには行かない。それはわかります。しかし原子炉の破損・融解による放射能漏れとなると話は違うのではないでしょうか。影響が広範囲ですし、地面にしみ込んだ放射能は事故終息後も数十年の単位で残ると聞きました。また、これは「想定外」の天災をきっかけにした人災です。法律上の責任についてはわかりませんが、想定できなかったことが過失です。単純な自然災害とは違い、本来、回避できなくてはいけないものであったはずです。

稼働中の原発の一覧 http://matome.naver.jp/odai/2130129419361035701 からコピペしたものを下に整理します。公式にまとめてあるページが見つからなかったもので、NAVERまとめからの引き写しでご勘弁を。

連番 発電所 稼働中原子炉数
1 泊発電所 3
2 東通原子力発電 1
3 女川原子力発電所 3
4 福島第一原子力発電所 5
5 福島第二原子力発電所 4
6 東海第二発電所 1
7 柏崎刈羽原子力発電所 7
8 浜岡原子力発電所 5
9 志賀原子力発電所 2
10 敦賀発電所 2
11 美浜発電所 3
12 大飯発電所 4
13 高浜発電所 4
14 もんじゅ 1
15 島根原子力発電所 3
16 伊方発電所 3
17 玄海原子力発電所 4
18 川内原子力発電所 3
合計 58

日本には原発が、高速増殖炉の「もんじゅ」(深刻なトラブル中のようですが)を含め、18箇所あるようです。この原発が千年に一度レベルの地震津波にみまわれる確率は、それぞれの原発の施設単体で考えると千年に一度なのかもしれませんが、仮にその確率が正しいものとすると、日本国家として見れば千年あたり18回、すなわち56年に1回と考えないとまずいように思います。もっときびしく、発電所単位ではなく原子炉ごとに千年に一度トラブルが発生すると考えると、全体では千年あたり58回、つまり約17年に1回の確率です。計算上は。

「千年に一度」というのはおそらくかなり大雑把な言い方で、事故の確率は無限に低いのだから心配することは無い、ということを言いたいがための表現なのだろうと予想します。現在の知見の基づいてきちんと確率を計算した場合、おそらくこれとはちょっと(かなり?)違った値がはじき出されるのでしょう。また、原発は全国に均等に分布しているのではなく偏りがあるので、単純に発電所数、または原子炉数を使って確率をはじき出す、というのもまた乱暴な計算ではあります。

しかし、これまでのざっくりとした計算からすると、原発についての「千年に一度」の確率というのは、これは無視して良いのだと言い切れるほどの低確率では無いように感じました。